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●街の駄菓子屋さん
駄菓子屋さんがなつかしくなって、立ち寄りました。
知人のKおばあちゃんのお店です。
せっかくだから、なにか買おうかなと見回し、目に留まったのが小さな小さな「はったい粉のお菓子」でした。写真では大きく見えますが、2センチ程度のものです。他のお菓子は、わたしの子どものころとちがい、包装されていたのですが、これだけはこのまま売られていました。
実は、このお菓子も一つ一つパック包装されていたのですが、Kおばあちゃんは、それを取り出して、わざわざ楊枝をつけて売っていたのです。
●なぜ楊枝?
私は、4個買いました。ひとつ8円でしたから、32円。包装されていませんので、その場で食べるしかないかと思いました。Kおばあちゃんは、「楊枝を抜いて」といいます。え?それじゃあ食べにくいじゃないかと思いましたが、実は、この楊枝は、「くじ引き」だったのです。
引っこ抜いて、先に赤い色がついていたら「当り」で、もうひとつもらえます。ひとつ8円で利益もあったもんじゃないのに、当ったらどうするんだと思いながら、楊枝をひっこぬくと「当り」でした。
おばあちゃんは、「おめでとさん」といいながら、もう1本くれました。
私は、当たらないことを祈りながら、当り籤のお菓子から楊枝を抜くと、また「当り」。
●1円が大きいお店
合計6本を32円で買った計算になります。
40円支払うと、Kおばあちゃんは、「うちは1円が大きいお店やろ」といっておつりを渡してくれました。
そのとおりですね。
その場で食べ切れなかった3個のお菓子の始末に困っていると、小さな紙袋を取り出して、入れてくれました。ちゃんと用意してあったんですね。それは、チラシを折って作ったお手製の袋でした。
これにも恐縮するほかはありませんでした。
お金やものを大切にする感性を、地域ではぐくんでくれていたのは、こういう駄菓子屋さんだったんだなぁと思ったのです。
■追記
〓粉というのが、「はった粉」の正式の(漢字の)表記らしい。
実は、「はったいの粉」という言葉を幼いときから聞いていたが、それが本当の名前なのかどうかさえ、知りませんでした。原料は、大麦。
幼いころに聞いた名前は、その地域だけだったり、俗称だったりするわけで、話があえば、それだけでもりあがりますね。
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