超大型ショッピングセンター接近中!W開発と計画の逆転か?
2007-06-13


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なにごとも決め付けは禁物です。
それでも、チェックポイントを決めて、
検証していくのは大切なことです。

矢作弘さんの『大型店とまちづくり』(2005年7月 岩波新書)を
走り読みしながら、検証してみることにしました。

・・・書きながら考えているので、長くなってしまいます。
  興味のある方はよろしく。

●開発と計画の逆転 (195n以降参照)

《都市間開発競争を賞賛する世界では、開発と計画の逆転が強行される。》
という指摘がされます。

まず、本来の姿はどうか?

都市計画があって、それにしたがって開発するってことですね。

《開発と計画は、「まず、計画ありき」が原則である。計画があり、その計画に開発を落とし込む。開発を計画に従わせるのである。それが開発と計画の、健全にして本来的な関係である。》

それはどうでしょうね。

それがどう曲げられるのか?

《開発を優先するために、すなわち都市間競争に勝利するために、計画をッ変更することが行われる。開発のご機嫌を伺い、開発の都合のよいように計画を塗り替えるのである。》

なるほど。

具体的には、

《都市計画法の、本来、都市的開発を厳しく抑制されている市街地調整区域を市街化区域に編入し、大型店を誘致したり、出店を認めたりすることが広く行われている。計画を開発に隷属させる事例である。その結果が地方都市郊外の、ロードサイド風景の醜悪なる混乱であり、中心市街地の衰退である・・・》

●イオン・モールの場合はどうか?

上の写真は、平成18年11月15日の草津市都市計画審議会に提出された文書の表ですね。
 「議第1号 大津湖南都市計画用途地域の変更について」(草津市決定)
 要するに、イオン・モールが計画している地域について、市街化調整地域をやめるってことです。


●どんな理由づけかな?

理由書は、次の文章ですね。

《当地域は、昭和52年に土地区画整理事業を前提とし、市街化区域に編入し、まちづくりの合意形成に努めたが、一部地権者の不同意により事業を断念し、昭和59年にやむなく市街化調整区域に逆編入した経緯がある地域である》

要するに地権者(住民)の反対で、開発をあきらめたってことなんでしょうか? づつきを見ると

《その際、地元の土地利用に対する意欲は依然根強かったことから、計画の熟度が高まった時点で、円滑に市街化地域に再編入することが可能となるよう、それまでの間は乱開発を抑制するために、暫定的に規制的な用途を残存させたものである。》

負け惜しみっぽい表現は、今回の用途変更がイオン・モールの都合だけではないって風に聞こえます。規制は乱開発の抑制にあるとうのは、正しいにしても。

●道路公社のアクセス道路計画が呼び水に

 ここからが本論かな。

《平成16年に入り、滋賀県道路公社の近江大橋東詰めアクセス道路が計画され、地元まちづくり委員会において道路事業と併行して土地区画整理事業を実施しようとする気運が再燃したが》

この道路は、もともと渋滞緩和が目的ではなかったのだろうか?
・・・たしかそう聞いた気がするのだけれど。
要するに、道路公団が税金で道路をつくってくれるから、開発に使おうってことなんでしょうね。

《地元地権者として土地区画整理事業後の土地活用に対するノウハウが見出せられないため、当協議の最中急浮上した大型商業施設(イオンモール)の事業展開に協力し、土地活用する方向付けが出たことから用途を廃止し、必要部分のみ商業地域としての展開を図っていくものである》

まあ、流れはわかりました。
道路計画が呼び水となったことですね。

地理的にも、税金で造られる道路とイオンモールの関係は、重大な争点になると思います。
それは、別の日記で検証してみます。
[まちづくり]
[大型店]
[イオンモール出店]

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