前田哲男『自衛隊 変容のゆくえ』(岩波新書)
2008-10-23


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新テロ特措法が衆議院本会議を可決されていったのは、21日のことでした。私は、過去の戦争を跡付ける地道な作業をしていますが、それは目の前で起こっている動きと無縁の作業ではありません。
 アフガニスタンで戦争をつづけるアメリカへの給油は、戦争行為そのものです。それを自民、公明が強行していくことを承知で、本会議での趣旨説明や討議を省略する日程を提案した民主は、採決で反対しても、実質上は推進という姿勢は見え透いているものです。
 アメリカの従順な僕としての姿をあらためて晒したものです。

 この採決がなければ、前田哲男『自衛隊 変容のゆくえ』(岩波新書)をわざわざ買わなかったかも知れません。
 明治10年代までの日本陸軍は、内戦を想定したものでしたが、その後、征服戦争をもっぱらとする軍隊に変貌していき、日清戦争、日露戦争、シベリア出兵、中国戦争、対米戦争へと突き進みました。
 いま同じ流れが、今度はアメリカの戦争のパーツに貶められた状態ですすもうとしています。
 防衛庁は防衛省に格上げされ、自衛隊は米軍とともに海外で戦争することを主任務とする軍隊に変貌しました。それはこの本が指摘するとおりだと思います。
 その姿をあらためて胸に刻み、自分自身がこの流れを押しとどめる力になりたいと思ったのです。E.H.Carrのいうように歴史とは現在と過去との対話。過去に照らされた現代の醜悪な姿にこそモノ申すべきときだと思いました。
[自衛隊]

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