「光州事件」@桐野夏生『ダーク』
2009-06-11


禺画像]
桐野夏生の小説 『ダーク』を読んでいます。
文庫本をカバンに持ち歩いていて、
ようやく上巻が終わろうとしています。
そこにサプライズが待っていました。

1980年5月に韓国で起こった
光州事件が登場するのです。

不意打ちをくらった私は、
強い衝撃を受けました。

そういえば、同じ著者の『玉蘭』でも
コミンテルンが登場するという経験をしました。
それらは、決して偶然ではないのでしょうね。

隣国のいまだ生々しい歴史的事件を
小説に取り込むこの桐野夏生という小説家。
う〜ん、スケールが大きい気がしますね。

市民側の犠牲者を数千人出して、

小説でも、血なまぐさい光景が遠慮なく描かれます。
しかし、その筆致は、妖しいまでに印象的です。

 闇に沈む光州の街のあちこちに炎が見えた。光州が燃えている。街中に血と火薬と催涙ガスの臭いが充満し、叫び声がこだましていることだろう。怒りが剥き出しになって荒れ狂い、新たに生まれる恨みや悲しみが更に怒りを倍加する。そのエネルギーがどこまでも大きくなるのか、もう誰にもわからなくなっているに違いない。
事件そのものについては、ここを参考にしてください。
[本]

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