グザヴィエ・ジラール『マティス - 色彩の交響楽』
2009-06-23


禺画像]
マティス。

とても楽天的で鮮やかな作品を残した作家。
だから、成功に包まれた華麗な人生。
陽気で、あっけからんとした人柄

そんなイメージをもっていました。

この本は、マティスがどのような道筋をへて、
マティスになっていくのかが、
わかって興味は尽きません。

印象に残った文章はつぎのもの。

(マティスの)生涯を辿ってみると、いわゆる「革命家」というにはおよそそぐわない冷静で落ち着いた人間像が浮かび上がって来る。その作品においては、きわめて大胆な、時に激越なまでの試みをも辞さないマティスだが、その人柄は、既成の体制に激しく抵抗して破壊と異議申し立てに熱狂する革命家、例えばクールベやヴラマンクなどとはおよそ違っている。彼は革命家であったにしても、沈着冷静な醒めた革命家であり、日常生活においては何よりも秩序を重んじる健全な常識家であった。
人間観が豊かになった気がしませんか?

複製を一枚張っておきたい気がします。
『夢』(1940)なんかがいいのですが。
[本]
[美術]

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