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2010年の初めに出版された保谷徹氏の『幕末日本と対外戦争の危機』は、サブタイトルどおり、下関戦争を相手国のイギリスなどの資料を駆使して描いたものです。
私が興味をひかれたのは、相手の側から見る視点の大切さです。歴史は、過去を扱います。”いまだから、わかる”ということもあります。しかし、こういう視点を今に生かすことはできるはずです。
いずれにしても、オールコックの砲艦外交が限定戦争に終わり、全面戦争にいたらなかったことは幸いだったのです。
その後の話なのですが、中国とはちがい日本は植民地化はまぬがれました。しかし、弱者の立場から学ぶことなく、侵略者へと成り上がる過程が始まります。突然で申し訳ないのですが、ロシアという国の歴史を見ても、同様の過程があったと思います。13世紀の「タタールのくびき」から脱却するために、中央集権国家が15世紀jに成立し、くびきを脱する。しかし、成立しつつあった大国のシステムのなかには入ることのできない辺境の国。海への出口を求めて、外交を駆使するが、隣に強力なポーランド国家。北には、騎士団とスエーデン。南部にはトルコ。18世紀に西欧化をしながら、一世紀かかって強国にのし上がる。その一方で、再販農奴制の上にそびえたつツァーリズムが確立。抑圧国家となる。
対外的圧力から解放された国家が、他の国への進出を自制するのは、よほど難しいことなのでしょう。
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