黒船と江戸幕府の外交
2010-11-10


岩波新書の『シリーズ日本近現代史』(全10巻)は、これまで抱いてきた江戸末期から現代にいたる過程のイメージそのものを変える内容でした。
 最終巻『日本の近現代史をどう見るか』は、いわば総括にあたります。
 このシリーズを第一巻から読んで、快い衝撃を受けたのは、江戸末期の外交が愚行ばかりではなく、むしろ、砲艦外交をおこなった米国などに的確に対処しながら、国益をまもったという発見でした。  たしかに、明治政府の側からすれば、江戸幕府の行動をあしざまにいう偏向はありえるし、それは米国側からしてもそうです。それを、資料をていねいに見ながら、偏見をただしていく研究は、すぐれたものだと思いました。
 とき、あたかも黒船来航・・・いえTPPでしたね。
 マスコミを見ていると、なにがなんでも、開港だ、時流に乗り遅れるなという論調が多くなっています。しかし、求められるのは、冷静に国の将来を見据えた議論ができるような材料を提供することです。あとは、庶民を信頼し、その判断にゆだねるということなのです。
[政治]

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