2007-10-05
1960年代から70年代にかけて、琵琶湖の水質は劇的に悪化し、それを受けて、革新県政が生まれ、粉石けん運動が全県的に取り組まれました。
(私は、亡母が婦人会で懸命に取り組みながら、粉石鹸ではうまく落ちないとぼやいていた記憶しかありませんが)
いずれにしても、琵琶湖の環境を守る運動が大きな盛り上がりをつくったのが、1970年代前半のことです。
しかし、水質はなかなか改善されていきません。
ゆるやかなカーヴを描きながら、悪化していきます。
その間、劇的に悪くなった湖もありましたが、琵琶湖はその巨大さによって、まだなんとか水質を保っていたように思えます。
水質の悪化に常に警鐘を鳴らしておられる岡本巌名誉教授は、その一方で、右往左往するのを制止し、「琵琶湖はそんなやわではない」と言っておられます。冷静になれ、冷静にまた科学的に対応せよという意味だと思っています。
それにしても、新聞報道を読めば、なんとかしなくてはと思わずにいられません。
9月30日の報道を読み返せば、硝酸態リンの濃度は、1960〜70年代の8倍、70〜80年代の2倍になっているといいます。
その原因として、地球温暖化が挙げられていることは重大です。
なぜなら、「粉石けんを使いましょう」という自治体ぐるみの運動をした70年代のような滋賀県だけの努力では解決することができないからです。
地球温暖化がすすみ、酸素を大量に含んだ雪解け水や表層の冷たい水が、湖底にもぐりこむ「深呼吸」作用が弱まったり、なくなる危険があります。そうなると、湖底は一貫して低酸素状態。
生物が棲めないだけではなく、湖底の泥のなかに閉じ込められているリンが溶け出す危険があります。もちろん、リンだけではないはず。
硝酸態リンの濃度の上昇がとても気になるのです。
セ記事を書く
セコメントをする