遠藤周作 『海と毒薬』(1958)
2009-06-02


禺画像]
『海と毒薬』。
F大学を舞台にした捕虜生体解剖事件を扱っています。
私は、映画の方を先に知りました。
そのモノクロの画面に強い衝撃を受けました。
救いのない気分で見終わったのです。

そして、今日、原作をはじめて読みました。

知っている方、知らない方、いろいろだと思います。
1945年に、B29が特攻機によって撃墜され、
九州の竹田市で脱出した米兵が捕虜となります。
この捕虜を生体解剖の犠牲とする事件が起きました。
それが、九州大学生体解剖事件。
戦後、戦犯事件として、GHQで裁かれています。

『海と毒薬』は、創作ですが、この事件をベースにしています。

事件そのものが提起する問題、そして、
遠藤周作氏がこの小説で提起した問題は、
重なりながら、同一ではないと思います。

そこを注目して読みました。

それにしても、題名はとても暗示的です。
感想をすぐ書ける気分では、ありません。

私は、遠藤周作(1923-96)という人について、
あらためて関心をもちました。
ネスカフェのコマーシャルによく出ていたおしゃれな人。
狐狸庵先生。クリスチャン。『沈黙』の作者。
その程度の知識だったからです。

それに、心のどこかにマイナスイメージがあるのですが、
それがどうしてなのか、思い出せません。

・・・ところで、満州で幼年時代を過ごした人なんですねぇ。

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