2006-07-29
議会の中では少数派だった新幹線新駅中止派が、県民の中では多数であることは、世論調査で明らかでした。しかし、それと選挙とは別物という頭が民主党のなかにあったのでしょう。
民主党県連は、新幹線新駅推進の立場も、国松知事支持の立場も変えることなく、県知事選挙に臨みました。その結果が、国松惨敗。
組織票からは想像もできない選挙結果は、全国にも衝撃を与えました。「もったいない」は全国区になったのです。
民主党県連が県民の世論がこうして投票行動にまっすぐ反映したことで衝撃をうけた様子が新聞報道を通じてよくわかります。
おりしも今年は参院選挙の年。県知事選挙も、いっせい地方選挙もそれと区別して考えることはできないはずです。
オール与党体制にどっぷりつかっていた民主党の指導部の方々は、あらためて自分たちと支持層との間におおきな距離があったことを認識させられています。
どう動くか注目されます。
***************京都新聞の報道から**************************
「転換」嘉田新県政
民主党県連 尾引く敗戦
釈明に追われる
民主党滋賀県連が知事選の後、支持者への釈明に追われている。前知事を推薦したが、党支持者の多くが嘉田由紀子知事に投票し、党と支持者の間に隔たりがあったためだ。最大の争点となった新幹線新駅について凍結を掲げた嘉田知事が当選したことで、来春の統一地方選へ向けたマニフェスト(公約)の練り直しも迫られている。
「民主党には先見の明がない」「もっと有権者の声をくみ取ってくれる政党だと思っていた」。知事選後、県議会会派「民主党・県民ネットワーク」の青木愛子県議=野洲市=に、主婦や退職者ら約二十人から、こんな電話やファクスが届いた。青木県議はそのたびに「県議選で支援を受けた連合滋賀は前職を推薦した。党を離れて嘉田さんを応援する勇気がなかった」と弁明した。
同党県連は選挙後、一転して新幹線新駅建設の凍結支持を決めた。公約に凍結を掲げた嘉田知事が当選したことで、民意を尊重したからだ。ただ、新幹線問題を除けば嘉田県政に対して是々非々で臨む方針だ。
青木県議は「心情的には嘉田知事を応援したいが、党の決定には従わないといけない」と複雑な思いを打ち明ける。
党支持者の中には、統一地方選で嘉田知事を支える候補の登場を期待する人もいる。琵琶湖の環境保全をテーマにした市民劇団「湖人の会」事務局長の西本育子さん(六二)=大津市=は「県議選では嘉田知事を後押しする人を選びたい。民主党には、そんな候補をしっかり応援してほしい」と注文をつける。
同党県連は来年四月の県議選に向けて作成を進めてきたマニフェストの内容を、嘉田知事の当選を受けて、再検討せざるを得なくなった。
例えば、当初は新幹線新駅の是非を盛り込まない予定だった。県議の間で意見の隔たりがあるためだ。しかし、再検討後のマニフェストには、新幹線新駅の建設凍結を加える方向で調整している。嘉田知事が凍結を打ち出したダムや廃棄物焼却施設についても、党の見解を記す予定だ。
マニフェストの制作責任者の徳永久志県議=近江八幡市=は「嘉田知事のマニフェストは県民の信を得た政策であり、民主党もそれを土台に内容を議論する必要がある。そうしないと有権者の支持を得られない」と危機感を抱く。
[2006年7月28日掲載]
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